※2010/10/27の日記から若干修正しもって来ました
とある、比較的大手(だと私は思っている)建設業界の会社の話をしよう。
とはいえ、単なる私の就職活動経験談に過ぎないが。
それも、時間が経ったせいで正確さに欠けることをまず謝る。
まずその会社、x社とするが、その出会いは合同企業説明会だった。
そもそも私は建設なんぞに全く興味が無かったのだが、友人の一言でつい、そのブースに足を運んだ。
「年収、1000万くらい楽に突破するらしいぞ?」
就職活動中の学生の視点はこうなりがちだ。仕方が無い。うん。
とまあ、まずはその会場で私の友人に会ったことから奇跡が始まっていたわけだが、
こうして数奇な運命のもと、45分の説明会に参加することとなった。
そこで印象的だったのは、人だ。
説明会を仕切っている人事担当の方のことである。
熱い。
半端ない。
どれだけこの人は、自分の会社が好きなんだと思った。
すごい。
聞けばその人は法学部出身で、当初建設業界に興味は無かったという。
しかしx社の熱い社風に引かれて入社。
まじですか。
いつから熱いんだこの会社。
とにかくその話により、私が体感した熱さがあたかも保証されたかのように錯覚してしまう。
ちなみにx社の仕事はなかなかハードなため、高収入であることが後に推測できるのだが、
そりゃ自分の仕事が好きで残業しまくり自分追い込みまくりだとそうもなるだろうと納得させられる。
熱いぜ。
私が見た企業の中では文句なし一番のヒートウェイブ。
「本来でしたら選考を受けるためには後日、このような合同説明会ではなく、
弊社が主催する会社説明会に参加して頂く必要があるのですが、
皆さん東京にお越し頂くことはなかなか難しいと思うので、
今日この場に来ていただいた方々にはそれを免除いたします!」
その台詞をしっかりと聞いてもなお、熱量に当てられた私は、後日説明会の予約を取ってしまった。
で、説明会である。わざわざ東京まで。
やはりそこでも印象的なのは、熱である。
人事担当の方はまったく変わっていない。熱い。
その他、実際に働く方の話を聞いても、
「ああ、12時前にはそうそう帰れないね。でも仕事、面白いからさ」
などと笑顔で言われてしまうと、自分も度胸を決めてバンジージャンプできそうに思えてくる。
そう、勇気をもらっているのだ。ブラック上等である。
てか荒波に揉まれて強くなった大人って、格好よくね?
本当に。
説明会の最後には、x社の欠点が箇条書きで挙げられていった。
きつい。
地味。
大変。
不自由。
責任。
VTRでは新人が体を壊すところを映し出していた。
そして休暇から戻った新人相手に上司が言う。
「確かにこの仕事はきついさ。だけどな、どうしてもきつい、限界だと思ったら、話してくれ」
新人は泣いた。
俺も泣きそう。
苦悩がそのまま、得られるやりがいにつながるのだ。
なんと輝かしいことか。
なんて世界だ。
私はこぶしを強く握った。
会場に来ていた方々と同様に、だ。
お前は悪徳宗教にひっかかりそうな性質だ、と人から私はよく言われるが、
なあ、いいじゃん。こういうので泣こうぜ?
そう思う。
かくして私はめでたく、x社の選考に進むことを決意した。
とはいえ第一次選考である筆記試験については特に何も無い。
インターネット上でいくらか、簡単な計算なりなんなりを解かされた記憶しかない。
普通だ。
次、第二次選考、グループディスカッション。
集団討論とも言い換えることが出来る。
この第二次選考を書きたいという衝動があって今の私が居るのだが。
まあよい。
さて。
グループディスカッションなのだが、何をするのかはそれ以上わからず、私は選考会場へ行った。
会場は本社だ。開始15分前には到着し、案内されるままに名札をつけ、部屋へ。
その部屋には6つのテーブルがあり、それぞれを4,5人程度が囲んでいた。
私はとあるテーブルの5人目となった。
開始時間までにはいくらか猶予があり、そのテーブルでいくらか雑談をする。
内容は思い出せないが、ああいや、一つ思い出した。
私の街は自転車が走りやすいよー。
へー。
速そうだねー。
そんな会話だ。いや、もうちょっと知的なものもあったと思うんだが。
とにかく。
このテーブルのグループで選考を乗り切ろうと思えば、雑談にも力が入るというもの。
不純な気の持ちようだが、きっと皆そうだろう。な?
私の中では、選考はすでに始まっていた。
そして真の選考時間となる。最終的には各テーブルにそれぞれ6人。
いつもの人事担当の方が説明を始めた。
「まず、このグループではディスカッションをおこないません」
このくらいでは就活戦士はうろたえない。
少なくとも表情には出さない。内心はその、あれだが。
「名札の裏を見てください」
見た。
お?
黄色の丸いシールが小さく張ってあった。
「部屋内で同じ色の人を探し出し、色ごとに集まってテーブルに座ってください。
ただし人との会話は、自己紹介と今日の意気込みを言った後に、色を言うという形に限定します」
つまり。
単に色を聞いて、違う色だから、はいさよなら、ではいかんということだ。
なので当然時間はかかる。
そんな無駄なことに時間を費やしてよいのか? x社よ。
いやいや、既に会社の人が8人ほど名簿片手にうろついている。
テーブルの数より多い。
選考開始ってわけだ。
わーお。
そりゃあもう、はきはきした自己紹介軍団でございました。
結果、みっちり30分近くかけてグループを作った。
だがまだその後がある。
「グループ内でまだ自己紹介をしてない人がいると思うので済ませてください。
ああそれと、今自分が熱中しているものと好きな都市についても、グループ内で話してください」
いろいろとイベントが間違っている気もするが、目を鋭くした社員さんがいらっしゃるのだ。
全力で就職活動をした。
「さて、それではグループワークを始めたいと思います」
そう、まだ始まってない。
どうやらディスカッション形式では無いようだ。
気を奮い立たせる。
「皆さんはそれぞれグループごと、とある建設会社とします。
手がけていただきたい事業があり、今からその詳細を書いた紙を配ります」
まあ、平凡な導入だろう。
私は配られた紙を見た。
……。
んん?
要約するとこうだ。
とある市がいくつか空き地を持っており、その開発を募集している。
会社として、そこに開発希望を出すわけだ。
好きなだけ空き地を選んでよいが、時間内に開発ができなければ罰金が発生する。
計画書を提出した後、時間内に開発を進め、見事報酬をゲットせよ!
はあ。
細かいこともいろいろ書いてある。
空き地は4種類。すべて正方形だが、大きさが4区画のものから7区画のものまである。
より大きい空き地を開発するとより大きい報酬が得られる。
空き地の詳しい情報は市役所にある、など。
そんな細かいことは良い。
とにかく開発しろというのだろう。
まあそういう仕事も実際建設業界にはあろうと思うが、今、私たちは、具体的に何をするんだ?
開発て。
「これから作業のほうに入ってもらいますが、何か質問はありますか? これが質問の最後の機会です」
え。
あるはずだ。
「結局なにするんすかー?」
という、根幹の質問が。
しかし誰も聞かない。静かだ。
おいおい。
一人が挙手をしたのだが、私の聞きたい内容ではなくがっかりしたことを覚えている。
「ではただいまから作業開始です」
そんな失望の中、本当に始まってしまった。
即座にグループで話し合う。
「なにやるんすか?」
「いや、わからん」
「開発ってなによ?」
「あわあわ」
しかしヒントはある。未記入の計画書だ。
「まずは何区画の空き地を開発するか、選ぶらしい」
「選ぶって、何を見て?」
「空き地?」
「区画ってなによ?」
「あわあわ」
冷静に、計画書を上から埋めていこうということになった。
「会社名を、決めろ、とさ」
「なんでもいいじゃん、そんなん」
ちなみに会話は全て丁寧語で行われていた、はずだと信じたい。
突然、人事の人が口を開く。
「はい、一分経過しました!」
「!!!」
何、たった一分、時間経過、報告、目的、何!?
「これじゃないですか?」
仲間が指す紙面を見る。
……市役所へ行くときは、グループ内で一分ごとに順番に?
「市役所て」
「あ、あれ!」
他のグループに、席を立つ人が居る。
彼がどこへ行くかというと、部屋の隅、ついたてで見えないところへ、だ。
ついたてには、市役所、と書いてある。
全く気づかなかった。
「行け! なにがあるかわからんが、見て来い!」
「空き地の情報があるんでしたっけ」
誰とも無くグループの一人が市役所へ向かう。
残った5人は、
「んじゃてきとーに、会社名でも決めるか」
これに関しては私のごり押しが通った。
夢の町追求不動産。
決まった。
「うさんくさい」
「言うな」
そうこうする内に一分経ち、市役所に行った人が帰ってくる。
「何があったよ!?」
「え、いや……」
5人の注目もよそに、歯切れが悪い。
「なんか? 三角形とか? たくさんあって」
私たちは顔を見合わせた。よくわからん。
「次、誰か行け!」
「じゃあ今度はおれが……」
その一人が行った直後も質問攻めは続く。
「空き地の情報があったんじゃないのか?」
「具体的には何があったよ? 書類か? 模型か? 情報か?」
「ええと、切られた、紙がたくさん」
よくわからん。
決まった会社名を報告して乾いた笑いを誘っていると、市役所から一人帰ってくる。
「あ、ああ、確かに、聞いたとおりだよ」
何がだ。
「あれ、何に使うんだ? おんなじ形のもあったよな」
「さあ? しかし開発ってなぁ。あれをどうにかするのか?」
傍から見ると、二人の会話は成立しているように思う。
これに参加しないことには話が始まらない!
「ぼぼぼぼく、次行ってきましゅ!」
これ俺。
行ってきた。
市役所と銘打ったついたての奥、そこのテーブルの上には。
図形がたくさんあった。二次元の、さまざまな多角形たちだ。
材質自体は単なる厚紙で、合計すると数十個にも。面積としてはひとつ20平方cmくらいか。
細い三角形から、十字、なんともいえない多角形まであった。
テーブルへ戻る。
「なにあれ」
「さあ」
まずは全員、市役所へ行くことにした。
「なにあれ」
「さあ」
今になって思い返すに、一体いつから理解し出したのかが全くわからない。
例えば悪戦苦闘した痕跡を市役所で見たとか、グループの一人が推理を始めた、とかだろうか。
「空き地一つに、区画って概念があるんだよな?」
「区画って、うーん」
「今考えられる“区画”としては、何があると思う?」
「仕切られた……区画、あの、三角形とか、か?」
「じゃね?」
「あ、ああ、だから“正方形の空き地”!」
「お、俺! いろいろ図形を並べてる他のグループの奴見た!」
「パズルか」
与えられた図形たちを使って、正方形を作るパズル。
説明しよう、まず正方形の厚紙があったと想像しなさい。
それをカッターで一直線に切ると、その空き地は区画2つに分かれる。
パズルと言っているのは。
区画と呼ばれる切れっぱし二つを組み合わせ、切られる前の正方形へ戻す。
それをもってパズルは解けた、とする。
カッターで切れば切るほど区画数は多くなり、
「区画数が多いパズルはその分難易度が高い、か」
高報酬なのもうなずける。
「しかし市役所にはめっちゃ欠片があったぞ?」
「区画数4、5、6、7。全てごっちゃになっていると見るのが妥当か」
「むずっ!」
「しかしパズル、ね。誰か理系の人居ない?」
「俺理系」
「俺も」
「私も」
「ぼくも」
「我も」
「全員かい」
もめてもなんなので、二人をパズル要員とした。
交代してひたすら彼らは市役所勤め。頑張る。
で残った我々は。
「計画書という形で、どのパズルを解くかあらかじめ宣言しとくわけだ」
「4、5、6、7。どの区画数の空き地かってことね」
「複数可」
「これから後にある作業時間っていうので空き地を開拓するらしいが、
実際はパズルを解く時間だ、と」
「でもさ、もうすでにパズルが市役所にあるんだから、そこで今完成させたら得じゃない?」
「確かに、そうすると後の作業時間なんてほとんど要らなくなるよな」
「作業時間では、10秒につき10万円取られる。むしろ今の内に完成させないとつらいだろ」
「しっかし、区画一つの値段、経費って形だが、10万かかるんだな」
「開発できなければ、区画代とペナルティ100万で目も当てられん」
「ま、詳細は、あの二人がこの時間どこまで解けるか、だな」
そうしている最中でも、
「区画4解きました!」
「おお! まずは無難に一つ」
「区画5解けたぜ!」
「ようし、二つ目!」
「三ついけたらすごいな」
「すごいね」
空き地三つ開発に成功するとボーナスで100万。これはでかい。
「区画7いけそうだ!」
「7かよ! 6飛ばすなよ! 挑戦するなよ!」
しかし残念ながら、計画書締め切り時間は迫る。議論も最終段階へ。
「4、5、7。三ついっちゃう?」
「いっちゃうでしょ」
「7できる?」
「できたっぽいから」
「4、5って書いて提出して、時間が余ったら余分に7解くとか?」
私は大して参加できずにあわあわしていたのだが、私の言った次の台詞だけは覚えている。
「いや、開発しますからって市役所に計画書提出しておいて、
暇だからこっちも開発しちゃいました、ってのは、そりゃないだろう」
皆はうなずいた。
計画はここに決まった。
「はい、時間です! 計画書を提出してください」
作業時間、つまりパズル挑戦時間の前に、各グループの計画結果を公表するとのこと。
まずは会社名だ。
「えー、夢の町追求不動産! うさんくさいなぁ」
言うな。
ほかのグループは例えば、しあわせ不動産、レッドブル不動産という名前であった。
なめてんな。
「では各グループの計画を公表します!」
三つの区画を開発するのは私のグループだけだった。
ほかは4と5、またはどちらかのみというもの。
ボーナスなどという甘い汁には騙されなかったというわけだ。
しかし、お宅らも甘いぜ。
うちが成功するとダントツトップじゃん。
では、それを現実のものにしようじゃありませんか。
とはいえ私の出番はもう無いだろうが。
「では、作業時間始め!」
ラスト。
購入した区画、多角形どもが配られる。
なんとここでは、区画が空き地ごとにわかれていた。
例えば、どのパーツが区画4のものかがわかるというわけだ。
先ほどの市役所では全て混ざっていたにも関わらず。
なんだ、簡単じゃーん。
パズル読解組の二人がさくさく進める。
作業時間としては10分が与えられているが、実はいつ切り上げても良い。
何しろ10秒につき10万円だ。どのグループも1分経つころにはほぼ終了していた。
私のグループも漏れずに。
ただし一分でパズル3つというのは、なかなか余裕が無い。
「はい、できた! 終了! 終了!!」
てな具合だ。
つまり、冷静になる時間が無かった。
終了後、私は一人、席から身を乗り出し、解いたパズルを上から眺めていた。
理由がある。
最難間の区画7。組み合わせて正方形にするわけだが、これは。
正方形ではないのだ。
私にはどうも正方形に見えない。長方形なら全く問題なく頷くのだが。
ただし、見る角度の問題だといわれればそのくらいの違和感なので、判断が難しい。
私はしばらく身を乗り出していた。
うん。
結果発表。
区画7開発失敗。
てへ。
「また、何かしらルールを破ったと自覚している場合には、その分-100万を追加してください」
自覚していれば、というのが性質がわるい。どうせ監視していたんだろう?
うちのグループでは、一瞬二人が席を立ってしまったこと、
そして、順番にと書いてあったにもかかわらず、一人が連続して市役所に行ってしまったことを挙げ、
-300万のペナルティを被った。
この時、“順番に”という日本語の意味について議論したのを覚えている。
結果、成功報酬450万、経費-160万、作業時間で-60万、ペナルティ-400万。
合計で-220万。
最下位でした。
この結果が採用結果につながらないことを願いたい。
ここで、今自分が第二次選考真っ只中であったことを思い出す。
だって、集中していたから。
楽しかったから。
無防備になったという点では、良い選考方法じゃないか。
あっぱれ。
しかし選考はまだ終わらなかった。
「ではこれから反省タイムに移りたいと思います。
この取り組みの最中に思ったことと、今振り返っての反省点を紙に記入してください」
気持ちを入れ替える。
これは一般的な就活モードで切り抜けることができるはずだ!
とはいえ、私は正直に書く。
チームで働くことの難しさ、情報共有の難しさ、意思疎通の難しさ。
でも、面白かったということ。
さて、記入タイムが終わると、次はそれをグループ内で発表する。
発表を聞くに、まあみなさん似たような内容だ。
質問があったり、共通点をまとめたり、次があったときのための作戦を立てたり。
思い思いに議論する。
「もう一度やりたいな」
「俺はいいや。何度やっても同じことしかできないだろうから」
「この失敗した記憶を持って、同じメンバーで、少し違うことをやってみたいっていう意味だぜ?」
「それなら、……やってみたい」
監視役の社員さんはテーブル間を徘徊する。
きっと先ほどの作業時間中もそうしていたのだろうな、と思うと、少し面白かった。
それに気づかなかった自分に。
集中していた自分に。
楽しんでいただけだな。
ああ、面白かった。
これをもって第二次選考は終了。
忘れられそうにない。
という落選フラグを残して。
はい、受かってました。俺が何をしたっていうんだ!
お次は第三次選考。個人面接でございます。
実際に働く方と、一対一。
以前人事の人から感じた熱を、その面接の場ではそれほど感じられなかったが。
それでも、好印象は持った。
「志望理由に人事の人を挙げる人が多いんだよね。こちらとしては嬉しいよ」
提出したエントリーシートを見ながら面接官が言う。
エントリーシートとは簡単に言うとアンケート用紙のようなものだ。
志望理由、自己PR、学生時代の生活などが書いてあり、二次選考開始時に提出していた。
とはいえ、そこに書いた内容も再び面接で聞かれる。
あー、コピー取ったけど見直してなかったなー。まずいなー。
「うーん、君の志望理由は、うん、うーん、」
彼は渋い顔をした。
「中学生っぽいんだよね。中身がない」
なら即刻落としてくださいよ。
「いや、でも二次選考では8割以上が落ちたって聞くよ?」
まじすか。
「評価されたってことでいいんじゃないかな?(笑)」
笑。
「しかし君、これ、この欄……」
私は凍りついた。
弊社の志望度を教えてください。
選択肢。第一志望、第一志望群、第二志望、……。
「普通、第二志望群にチェックする人は、いないと思うけど」
そんなこと書きやがって、俺よ……。
「それに、他社の選考状況。他社はIT系ばっかじゃないか」
は、い。
「まあそれが君の志望理由に行き着くわけだが。ITなんかよりも形になる、どでかい仕事ができる、と」
うう。
「自分の適性を度外視した、あこがれっていうか、そんなものを感じ取ることができるよ」
はあ。
「だから中学生っぽくても、全く良いと思う」
そうすか。
「ただ、そんな学生は今まで居なかったからなあ。建築をきちんと勉強した人とかだから。
正直に言うと、うちは君をどう評価していいか全くわからない」
あははー。
「だけどこの志望順位だけはごまかしようがない。君が落ちるとすればこの一点だろう」
落ちましたねわかります。
「建設業界に興味を持ってくれてありがとう。
駅周辺には素晴らしい建物がたくさんあるのでぜひ見物して行ってください」
わかりました。
ま、見物する時間は無かったのが残念ですが。
そんな感じです。
で、落ちました。
しかし感謝しています。
楽しかったし、丁寧に応対してくれましたし。
という話だ。
就活戦士仲間にこれを話すと面白がられるので、なかなか変わった企業であることがわかる。
私は落とされたことなぞ全く恨まず、その会社に対しては今後、好感度ハイで居続けることだろう。
だからまず、以上はなかなか美化されていると思う。
なは。
さて。
いろいろと、ありがとうございました。
また何かありましたらよろしくお願いします。
ああそうだ、もしも就職活動のためにここを見てくれた方が居たら申し訳ないので、
少しは役に立つことを書こう。
一般的に、就職氷河期と呼ばれる時期だったため、どの時代でも参考になるだろう。
とにかく、数撃て。
大手でも中小でもかまわない。
少なくとも、中小が落ちたから大手が落ちるなんてことはない。
これは会社の規模に限らない。業績であっても同様だ。
目を瞑るな。視野を狭めるな。
結局は面接官との相性で合否が分かれると思う。
なら、数撃たなくては相性などわかるものか。相性の良い人に出会えるものか。
撃て。
最大手であっても突き進め。
なりふり構うな。
とまあ以上、内々定を得るのに役に立つと思われる。
ただし自分と相性の良い企業を探すことはまた別である。